10.30.2009

Michael Jackson Fred Astaire Dance Smooth Criminal

Image from the patent filed by Michael Jackson...Image via Wikipedia


FRED ASTAIRE in SMOOTH CRIMINAL
アステアとは直接関係ないが、「Smooth Criminal」の源流として、『キャビン・イン・ザ・スカイ(Cabin In The Sky)』(1943/MGM)に登場するナンバー「 Shine 」を紹介しておきたい。 『キャビン・イン・ザ・スカイ』は、これまたヴィンセント・ミネリ監督による、リナ・ホーン主演のオール黒人キャスト映画。 「Shine」はタップ・ダンサーのジョン・バブルズが酒場で繰り広げるナンバーで、これが「Smooth Criminal」の'40年代版のような趣を呈していて実に面白いのである。
ここでバブルズは洒落者のギャングスタとして酒場に現れ、 デューク・エリントン楽団の演奏に乗せて歌い踊る。シチュエーション自体「Smooth Criminal」と似ているが、実際、彼が見せるトリッキーな動きや、ボーラーを目深に被るポージングには、容易にマイケル的な要素(それ以前に “フォッシー的”と言うべきだが)を見出すことができるだろう。また、面白いことに、ここには「Smooth Criminal」のマイケルのように、バブルズが階段を上る場面まで登場する。現代の感覚で眺めると、バブルズの陽気で脳天気っぽいキャラに違和感を覚 えるかもしれないが、それは当時の黒人芸人たちが強要されていたイメージなので、そのへんは差し引いて観賞してもらいたい。


ジョン・ バブルズ John Bubbles(本名 John William Sublett。1902~86)は、ピアノ担当のバック Buck(本名 Ford Lee Washington。1903~55)と共にバック&バブルズというコンビで活躍した人物。 「Shine」場面にも相棒のバック(写真左の左端でピアノを弾いている男)と一緒に出演している。この映画ではタップを踏んでいないが、バブルズは“リ ズム・タップ”と呼ばれる現代のタップ・ダンスの基本スタイルを作った偉人。アステアも彼からの影響を公言していた。マイケルの相棒だったチンパンジーの 名前は、このジョン・バブルズに由来しているような気がして仕方ないのだが、残念ながら私は真相を知らない。


この『キャビン・イン・ ザ・スカイ』は、映像史上最古(と思われる)のムーンウォークが登場する作品としても特筆される。 「Shine」でバブルズが見せるエアウォーク(その場歩き)風のステップも見逃せないが、劇中で実際にムーンウォークを披露しているのは、同じくタッ プ・ダンサーのビル・ベイリーという男(詳細は'08年8月29日のエントリー“ ムーンウォークの起源 ”を参照)。
マイケルを通じて古いミュージカル映画に興味を持ったファンには、この映画と、同年公開のオール黒人キャスト映画『 ストーミー・ウェザー (Stormy Weather)』(1943/20世紀フォックス)を併せて観ることを強くお勧めしておきたい(『ストーミー・ウェザー』はふざけたことに日本未発売だが、リージョン1の北米版DVDを手に入れてでも観る価値はある)。



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